2025年07月28日
太陽光付き住宅を購入する際に気を付けるポイント
2022年に東京都が環境保護条例を改正し、2025年4月以降に建築の確認済証を交付された住宅には、大手メーカーなどに太陽光パネルの設置を義務付けるなど、太陽光パネル付き住宅が注目を集めています。
日本では2012年前後から太陽光パネルを設置する戸建住宅が増えてきました。そこから約10年以上経過する中で今後さらに太陽光パネル付きの中古住宅が市場に流通することが考えられます。
ポイント1 太陽光発電にもメンテナンスが要な個所がある
先ず屋根に取り付けてある太陽光パネル自体は、メンテナンスが必要ないと言われることが多いです。
ここで最も注意するべき点としては太陽光パネルではありません。
太陽光パネルで発電した電気はそのままでは利用できず、その電気を家庭で使えるようにするにはその電気を変換するパワーコンディショナーという機械が必要になります。一般的な家電同様に約10年~15年周期で交換が必要とされています。
そのため、太陽光パネルの設置が増えてきた2010年前後から既に10年以上が経過しているので、太陽光パネル付きの中古住宅購入後すぐにパワーコンディショナーを交換する工事が発生する可能性もあるということに注意が必要です。
ポイント2 太陽光パネルの下にある屋根材のメンテナンス時の注意点
屋根をメンテナンスする際の方法は、
1.塗装
2.カバー方法
3.葺き替え
の大きく3つの方法が考えられます。
上記のうち、2.3に関しては屋根材自体を物理的に取り換えたり今の屋根材の上に新しい屋根材カバーをしたりするため
屋根材の上に取り付けている太陽光パネルに関しては脱着しなくてはなりません。太陽光パネルを脱着するにあたっては大きく2つの注意点があります。
先ず太陽光パネルを脱着する作業に費用が発生します。
屋根に取り付けてある太陽光パネルの枚数によりますが基本的には20~30万円程度の費用が発生するといわれています。
そのため屋根材のメンテナンス費用に加えて太陽光パネルの脱着費用も掛かるということも頭に入れておく必要があります。
2つ目は太陽光パネルを脱着することでもともと太陽光パネルに着けられている保証が外れてしまう可能性があります。
まずもともと太陽光パネルを付けた業者に脱着作業をお願いできる場合はそのまま最初の保証が有効という可能性があります。
しかし、違う業者に脱着作業を依頼した場合は、もともとついていた保証を引き継ぐことは基本的にできません。
そのため後々トラブルが発生した場合誰もその状況を保証できないということになりえます。
もしカバー工法や葺き替えでの屋根のメンテナンスを検討されている場合は太陽光パネルを最初に設置した業者に連絡し、脱着作業をお願いするといいでしょう。
また業者による屋根材のメンテナンスを行う場合には一般的に太陽光パネルで隠れている部分以外の範囲だけを塗装することが多いため上記のような脱着作業を伴わなくなります。
しかし、塗装の場合は塗料を扱うため塗料が太陽光パネルに付着しないよう注意することが大事です。太陽光パネルに塗料が付着することでその部分で正常に発電ができなくなる可能性や、部分的に熱を帯びやすくなるなどして故障の原因になる可能性も考えらるためです。
また作業中に物理的に太陽光パネルを破損しないように注意することも大切なため、屋根材のメンテナンスを担当する業者としっかりすり合わせをすることが需要です。
ポイント3 太陽光パネルの名義人変更が必須
太陽光発電で余った電気を売る制度は固定価格買取制度と呼ばれ、太陽光パネルを所有しているのか届け出を出して登録することになっています。
そのため太陽光パネルが設置されている中古住宅を購入する場合太陽光パネルの所有者も変わるため名義人を変更する必要が生じます。ただこの名義人変更が少し煩雑なため注意が必要です。
変更者だけが届け出を出せば完結するものであれば簡単ですが例えば前所有者である売主の実印と印鑑証明が必要なため
売り主の協力が必須であることと、状況次第では手続きが完了するまで3か月かかった事例もあります。
この点に関しては売主であったり不動産仲介再度も知らない場合も考えられるためしっかりと確認する必要があります。
最後に
太陽光パネル付き中古住宅はこれからどんどんと市場に流通していく段階と考えられるためまだ、不動産仲介でも取り扱いに慣れていない可能性も考えられています。
そのため太陽光パネル付き中古住宅のメリットだけに耳を傾けるのではなく充分に売主・仲介側とすり合わせをしてみんなが納得する不動産取引を実現することが大切です。