建設業ブログ

熱中症対策の義務化がスタート

熱中症対策の義務化がスタート

 

2025年6月から企業に熱中症対策が義務付けられた。

建設業では猛暑の時に作業を中断するなど対策強化が進んでいます。

2025年の6月は観測史上で最も暑い6月でした。

月平均気温が1991年~2020年の30年間の平均値に比べて2.34℃高くこれまで最高だった20年の記録を塗り替えました。気象庁は9月まで全国的に高温が続く可能性が高いとみています。

建設現場で熱中症が起こる原因

 

熱中症が起こる主な原因は、作業環境や労働条件です。これらの要因が組み合わさることで体温調節が難しくなり熱中症が引き起こされるのです。これらの要因を理解ししっかりと対策を講じることが重要です。

・気温と湿度

先ず建設現場は直射日光を受けやすい場所であるため、高温多湿の条件下で作業を行うことが一般的です。特に、夏場は気温が上昇し湿度も高くなるため体が放熱できず熱がたまりやすくなります。

・肉体労働による脱水

次に、重い機材を運ぶ作業や高所作業などの体力を要する業務が熱中症のリスクを増大させます。これらの作業は身体に過度な負担をかけるため、発汗による水分や塩分喪失が進み、脱水症状を引き起こす原因となります。特に一日中外で働く場合、定期的な水分と塩分補給を行わないと知らず知らずのうちに体を蝕んでしまいます。

・労働時間

さらに作業時間が長くなることも問題です。工期の短縮を求められる中で休憩時間が短い場合や作業者同士のコミュニケーション不足により水分補給や休息が疎かになろことがあります。

熱中症の症状とは

熱中症は非常に危険な状態でありその症状を早期に認識することが命を救うことに繋がります。

熱中症にはいくつかの種類がありそれぞれに異なる症状が現れます。一般的に熱中症の症状は以下の3つです。

1.熱疲労

初期段階では、体が過度に熱を持ち体温調節がうまくいかなかくなります。

この状態では主に以下の症状がみられます。

倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、筋肉のけいれんなどがあげられます。例えば、長期時間外で働いているときに疲れやすく感じたり、軽い頭痛がする場合はこの熱疲労の可能性があります。

2.熱射病

さらに進行すると、熱射病の段階に達することがあります。

この状態は生命に危険を及ぼす可能性があり高温環境にさらされ続けると発症します。

具体的な例としては、高体温、混乱、意識障害、発汗がないまたは極端に少ない症状がみられます。

特に、体温が40℃以上に達することがあるため迅速な対応が求められます。

3.熱失神

熱失神とは、体温が急激に上がることにより脳への血流が不足して意識を失う状態です。

この場合、周囲の人が気付くことも難しい場合があります。主な症状には、突然のめまいや立ち眩みがあり顔色が青白くなることがあります。このような症状がみられた場合はすぐに専門の医療機関に相談する必要があります。

建設現場ぼ熱中症対策事例

建設現場の熱中症対策は、効果的な方法を実施することで作業員の健康と安全を守ることに繋がります。

主に現場で使われている熱中症対策の事例はこちらです。

 

1・暑さ指数、気象予報の確認

暑さ指数とは、気温と湿度をもとに体感温度を計算した指標です。

気象庁とは定期的に暑さ指数を発表しているのでこの情報をもとに労働環境を調整する目安としています。

また、気象情報を事前に確認し特に予想気温が高い日には、作業の計画を見直すことや休憩時間を増やすなどの対策が取られています。毎朝の気象情報を確認する習慣をつけることで日々の作業スケジュールを柔軟に変更することが可能になります。また、必ず暑さ指数の指標を確認しその値に基づいて作業内容を調節しましょう。

 

2・休憩スペースの適切な設置

明るい日差しが照り付ける建設現場では作業員がしっかりと休むためのスペースが必要です。屋根付きの休憩場を設置することで熱中症のリスクを減少させることができます。このようなスペースでは冷却機能を持つ扇風機やエアコンを設置し作業員が涼しく過ごせるように配慮されています。

 

3・水分補給の徹底

作業中の水分補給は熱中症対策において非常に重要です。

多くの現場では、冷水やスポーツドリンクを常に用意し作業員には定期的に水分をとるよう促す取り組みが行われています。

日本熱中症予防協会によれば、運動時の水分補給量は1時間当たり1リットルを推奨していますが実際には体調に応じて量を調節することが大切です。

 

4・服装の工夫

重要な対策の1つとして、作業服を改善したり熱中症対策ウェアを配布するなど服装の工夫も行われています。

通気性の良い素材を使用した作業着や遮熱効果のある服を着用することで体温の上昇を抑えることができます。また、作業者には帽子や日焼け止めを使用するように指導することでさらなる熱中症の予防を図っています。

 

5・教育と啓発活動の実施

現場の作業員が熱中症の予防について理解していることは非常に重要です。そのため、定期的に熱中症に関する教育や啓発活動を実施し、作業員自身がこれを予防するための意識を高める取り組みも積極的に行われます。

もし熱中症になってしまった場合は?発症したときの対処法

熱中症になった場合、迅速かつ適切な対応が非常に重要です。

状況によって命に関わることもあるため、以下に示す対応策をしっかりと理解しておきましょう。

・初期症状を見極める

熱中症の症状には様々なものがありますが、初期症状を見逃さないことが大切です。軽いめまいや頭痛、吐き気、

などが感じられた場合これは体が熱にさらされすぎているサインです。このような症状に気付いたら直ちに安全な場所に移動し、適切な処置を行う必要があります。

・涼しい場所で休ませる

もし熱中症の初期症状に

きずいたらまずは涼しい環境に移動しましょう。屋外の直射日光を避けて日陰や室内に入ることが重要です。この際、周囲の人々に協力を仰ぎできる限り速やかに状況を改善するように努めます。

・水分補給をし体温を下げる

体が脱水になっている可能性があるため少しずつ水分をとってください。喉の渇きを感じる前に水分を摂取することが必要です。

氷や冷たいタオルを首の下や足の付け根にあてることで体温を効果的に下げることができます。

・救急車を呼ぶべきタイミング

もし体調が悪化し、意識がはっきりしない、あるいはけいれんなどの症状が現れた場合、早急に救急車を呼びましょう。

適切な処置がされないまま放置すると危険な状況に陥る可能性があります。迷わず周囲に助けを求めることが大切です。

まとめ

建設現場での熱中症対策は、作業員の安全を守るために必要不可欠です。毎年多くの熱中症患者が発生しておりそのリスクは常に高まっています。適切な対策を講じることで命を守るだけでなく作業効率の向上にも寄与します。

現場で実践可能な対策や万が一の際の対応を事前に知識として持つことが重要です。熱中症を未然に防ぐためにも皆様の積極的な取り組みをお願いいたします。