お知らせ

社長 note

“知”のインフラ

 

当社の最前線で活躍している部署は間違いなく”施工管理”です。
なぜ”施工管理”が必要とされているか、真剣に考えてみました。
私の目から見える現実を話したいと思います。

 

「現実」=問題の構造化

1.談合・価格カルテル構造

  • 大規模修繕などの入札で、管理会社主導のクローズドな見積もりが常態化。

  • 多重下請け構造により適切な価格の透明性が失われ、競争が機能しない。

2. 管理組合の情報・知識の非対称性

  • 管理会社に技術的・専門的な判断を依存。

  • 管理委託契約書や修繕仕様書を理解できず、コスト・品質の検証が困難。

3. 修繕積立金のブラックボックス化

  • 改修計画がメーカーやゼネコン寄りに設定されており、住民側に不利益。

  • 蓄積された積立金が実質的に「業界の食い物」になっている。

4. 技術の喪失

  • 職人の技術は現場に属人化

  • 労働人口減少による技術継承ができない

5.施工管理者が正当に評価されていない

  • 管理者は「現場監督」ではなく「調整屋」と化している

これらはそれぞれ単独の問題ではなく、構造的に連鎖しています
知識の非対称性

意思決定の支配構造(管理会社優位)

価格の不透明化・談合構造

技術・品質より「調整力」が評価される文化

現場・技術者の地位低下

技術の継承断絶
この構造を「社会問題の因果ループ」として整理すると、「施工管理者の再定義」が必要だと答えが出ました。


目指している「未来」

2つの軸があります。

① 社会構造的理想

管理組合や技術者が「依存」から「主体」になる社会

  • 情報と判断を自分たちで扱える社会

  • 工事・管理の意思決定が透明で公正

  • 建設業が「信頼インフラ」として再評価される

② 人的理想

施工管理者が「現場を動かすだけの人」から「価値を創る人」へ

  • 職人の知を尊敬し、技術を翻訳して社会に伝える存在

  • データや知識を扱う知的労働者としての地位

  • 現場と社会の間に“倫理”と“知恵”を持ち込む媒介者


信じている「原理」

技術 = 良い工事 = 適切なマネジメント = 適正な価格

つまり、

  • 良い技術は正しい管理があって初めて社会に価値を残す

  • 管理とは「監視」ではなく「支える」こと

  • 適正な価格は倫理の結果である

「施工管理」という仕事は社会的”知”のインフラである。

 

https://note.com/shimazakidaisuke/n/n5cb20c60b458